Hessen選手権以来、久々のレース出走でした。
実はこのブログを閉鎖しようかと、考えてました・・・・。
毎回、パッとしない成績(長らく表彰台にすら上がれていない)で、書く事は似たような物だし、お世話になっているスポンサー様の宣伝にもならない、どころか””この成績では印象を悪くしかねない”って、感じになってしまっているので・・・。
が、FBに妻が投降した写真にレスが有ったりして、とっても楽しかった今回のレース、記事にすることにしました。
時間のある方、お付き合いください。
今回参加したのは、UCI GFWS 2019年の最終予選です。
1週間前には日本でも”ニセコクラシック”が開催されてました。
舞台はイタリア・Trento。
南チロル地方の一番南、ドロミテの山塊を望むアティジェ川沿いの街がスタート地点、ゴールは町の東側に聳えるBondone山の麓、Vason村へ向けての山頂ゴールです。
コースは2種類。
40台までのクラスは、男女共に140kmで獲得標高4000hmを超える、グランツールの超級山岳コース‼
50以上は、距離58kmで2100hmです。
前半に町の北側に在る、ワインとリンゴ畑の丘を越えて、いったん町に戻るまでは、共通ルートです。
金曜日の夕方に現地到着。
受付を済ませ、荷解きをしてその日は終了。
土曜日、暑くなる前の午前中早い目にコースの下見へ。
前半部分は、自動車専用道路を走る区間もあり、丘へ行くまでの道がややこしそうなので午後から車で下見することにしました。
レースでメインとなるのは、当然ゴールまでの登り‼区間です。
川を渡ると直ぐに登りが始まります。
国道をヘアピンカーブを曲がるように左折すると本格的な登坂開始。
ストラバ上では、距離18.5km・平均勾配7.8%。
橋を渡って直ぐからなら、22kmで8%の登りです。
グランツールでも当然HCカテゴリー‼
これほど本格的な山へ登るのは、2014年のEtap d Tour以来、この時は140km・5500hmで、ボロボロになってゴールした記憶が・・・・。
妻と2人でnヘアピンまで行き、そこからは自分のペースで登坂開始‼
入り口直ぐからの区間がかなりキツイ‼
今回は52-36に11-28ですが、こりゃ全然足らなくなりそう・・・・。
それでも、登り続ける。
勾配の変化が結構激しく、10%を優に超える区間もあれば4・5%の場所もあったりして、退屈はしません。
僕にとっては、同じような勾配区間が続くよりはずっと走り易いです。
立ったり座ったりと、姿勢変化が多いタイプだと思うので、相手関係を無視すれば自分向きの登りです。
が、ひたすら続く登り・・・そろそろ辛くなってきたなぁ・・・と、思ってから暫くして”残り10km”の看板登場‼
え⁉、まだ半分???
気合を入れ直し、ひたすら前だけ向いてペダルを回す。
途中の村で交差点在り、おそらくここがロングコースとの合流ポイント。
まだ、8km以上残っている計算、長い‼
とにかく止まらずに走り続けないと、本番へ向けての下見にはならない。
高度が上がるにつれて涼しくなってきたし、体調的には問題なさそう。
なんとか上がり切って一応の下見は終了。
しかし、長い‼、序盤から飛ばすと半分も持たずに脚が終わる・・・明日は考えて走らないとえらい事になるなぁ・・・。
頂上の気温は10度以下、ベストだけを羽織ってサッサと下山です。
合流点の村まで下れば、もうベスト入りません。
ここで登ってきた妻と合流して、村のカフェで一休み。
イタリアはコーヒーが美味い‼
ストラバの記録では、18.5km・8%で1時間27分。
レース本番、上手く走れればモチベーションと合わせて、10%くらいは早く走れるはず。
87分掛かっているので8分短縮として・・・・。
う・・・ん、明日のレースで1時間20分は切りたいところです。
一応これが自分の目標。
過去の結果と照らし合わせて、この登坂タイムでは100%勝負になりません。
ってっか、こんなコースでレースを展開できるのは、参加者の中でも両クラスとも10人居るか居ないかです。
9割以上の参加者は”我慢大会”です。
午後からは予定通りに車で下見。
こちらは町から町までで、30kmくらい、完全平坦往復16kmで丘の区間が14km。
結構な勾配の登りもありますが、途中何度も平坦や下り区間もあったりして、登り1つ1つの距離は短い。
この区間は、それなりに格好がつけれそう。
勝負はあくまで、ラストの20km‼です。
当日の天候は晴れ‼
レースのオルガナイズが大変よく、応援用にスタート地点の直ぐ近くからゴールまでのバスが出ています(往復12ユーロ)、妻はこれを利用して頂上へ。
後で知ったのですが自転車も運べる‼
30分前にスタート地点へ行ったのですが、既に満員‼
僕のブロックは、毎度のことながら、参加者最大‼
後ろの方へ並ぶことになりました・・・。
コリャどんだけ調子よく走れたとしても、上位争いの目は無いなぁ…。
定刻通りに若い順にスタートしていきますが、僕らの前でオルガナイザーがミスをし、一つ押し上のクラスが先にスタートしていきました。
ま、勝負は各年齢クラスごとなので、チョット追い越す人数が増えるだけです。
先頭が出てから5分以上掛かって僕らがスタートラインを跨ぎました。
町中を抜けるまでは危険が一杯。
慎重に走って幹線道路へ。
ここから追い越しを掛けるレーサーに交じって前へ。
前日の下見で確認した路面の悪い部分などをうまく避けて丘の麓へ。
いったい何番目ぐらいなのか?見当もつきません。
ゼッケンは2200から2550までだったので、350人同じクラスに居る計算、
スタート位置は300番目辺り、平坦区間は追い越しこそすれ追い越される事は無かったので、丘の麓で250位あたりかな??
登りではズラッと繋がってます。
スタート順が後ろの方なので、ここからは縫うようにして先行レーサーを交わして行く。
ま、登りなので危険はほとんど無い‼
平地の高速レースよりよっぽど走り易い‼
丘の区間も後半になってくると、脚の揃ったのが次第に集まってくる。
10人くらいの集団になって下りへ。
ここは、ほぼ先頭で下る。
ダウンヒルには元々自信があるし、脚には最高の回転性能を誇るGOKISOホイールが装備されてる。
今日はクライマーハブに38mmGD2が前後に。
僕の場合下りで,体調もよくわかる。
体の切れも良いし、視線も上手く送れている‼
今日は良い感じの体調らしい、上手くの登れれば目標は達成できそう。
先頭で下りを終えて平坦区間へ。
前へ出てきた連中に任せ、集団内5・6番手でじっくり構える。
前を行く30人前後の集団を追ってペースが上がる。
ポジションを下げて無駄足を使わないように。
町へ入る直前で先頭へ出て前をキャッチ。
危険回避が最優先、そのままペースを緩めずに集団外側から先頭へ。
交差点が連続する町中は前が一番安全。
そのままコースの分岐となるロータリーへ、ロングは直進、ショートは右へ。
50代はショートが予選レースなので、僕も右へ。
このレース、ロングもショートもエントリー代金は同じ。
予選は既に通過しているので、ロングを走る事も事前に考えました、が、このレースに今年参加した目的は、コースの下見!です。
ここが2013年に続いて3年後の2022年世界選手権の開催コースになったからです。
とりあえず、レースで走って力関係を見極めたい。
いよいよ後半戦、登り開始‼です。
集団先頭で登りへ。
入り口からインナーへ。
重いギアを踏み続けるのは無理‼前半上手く抑えて走りたいところ。
ヘアピンを回って残り18?‼
かと言って、回し過ぎも脚にクル。
序盤から、スタンディングを織り交ぜて走りたい‼っとは思っていても、同じ色のゼッケンをつけた奴に先行されるとどうしても追いかけてしまう。
自分との戦いだけではヤッパ無理、ヤッてもヤラレても競い合うのは面白い‼
見たことのある赤いジャージが良いペースで上がっている。
背中にはデンマーク語の文字が読める。
”あいつのチームメイトか‼”
このシリーズで仲良くなったデンマーク人のチームメイト。
早いのが居るのは知ってましたが、それにしてもいいペースで登っていく。
コレに付いて行ければ、かなりのところまで行けそう!
背中を睨んで付いて行く‼、が、ペースが違う・・・。
残り10kmの看板手前で置いて行かれました。
で、ここからが当然苦しくなる。
オーバーペースで登ってきたらしく、合流ポイント過ぎで右足のふくらはぎから黄色信号。
アッと言う間に、赤信号・・・・。
点滅1回位しかなかったよなぁ・・・、車やったらこれで交通違反と言われたら、切れそうな早さでしたね。
さてどうする、何かしようにも勾配がキツクて身動きが取れません、登るだけで精一杯。
もうチョット頑張れば、100m位急に勾配が緩む区間が在る、とにかくそこまで耐えろ‼
ここまでが長いのなんの、せっかく追い越したレーサーにも次々と抜かれる始末。
しかし今は、文字通り手よりも脚が出ません・・・・。
追い越していくレーサーのゼッケンを確認、同じ色が3人いる・・・・。
う・・・ん、デンマーク人を含めて最低4人は前に居る計算です。
勾配が緩んだところで、ボトルの水を右足へ。
気温はだいぶ下がってきた様子で、しばらくすると冷えて動きが戻ってきました。
無理は利かないかもしれないが、登れるくらいの力は出る。
このレース、ゴールへの登りには5km毎に補給があり水やコーラを手渡してくれます。
ありがたい‼
これを知っていたら、最初からボトル1本で走ってます、次からそうしよう。
ラスト5kmの補給でコーラを貰い、少し立ち直って、ペースアップ。
ここからは誰にも交わされずに走る!
目標を切り替えて、今の自分の全てを出してペダルを踏む。
ラスト3km。
少しペースが上がり、一人に交わされるが、これを目標に10m位の差で登り続けます。
ラスト2km、まだ早い。
自分のペースを守って、先行するレーサー視界から逃がさないように。
ラスト1km手間から勾配がキツクなる、ここでペースを落とさなければもう一度追い付ける筈。
視界から外れないという事は、力関係に差は無い、後はタイミング‼
勾配がキツクなる区間、ギアを1枚入れ直しスタンディングで差を詰めにかかる。
上手くいった‼残り500m手前で並走へ持ち込む。
勾配が緩んだところでシッティングに切り替えて回す‼
もうここまでくれば、脚が壊れたって関係ない、イケー。
ゴールは単独でした。
2時間22分でクラス15位。
予選通過ラインはクリアしていますが、前とは随分差があります。
クラストップは2時間10分です。
スタート位置の差だけは説明のつかない違いがある・・・。
登坂タイムはストラバで1時間19分58秒、ギリギリ自分の目標だけはクリアしましたが・・・。
登坂時間を10分詰めないと勝負にならない・・・厳しいなぁ・・・。
ゴール後、妻からは”かなり上位でゴールしてた””って言われました。
冷静に考えても、分かっているだけで4人、スタート位置の関係もあるし10人近くは前に居るので一桁あるかないか、って、思ってましたが、ぬか喜びでした。
しかし、本当に強い連中の何人かはロングコースを奔っている筈です。
今年の世界戦はポーランドの平地コースなので、興味のないレーサーは数多くいる。
ロングコースのクラス優勝者は、4時間58分!140km、4000hmを5時間切って走ってます。
ちなみに、総合優勝者は4時間38分‼で去年のM1クラスの世界チャンピオンです。
上位はイタリア人が独占、地元強し!って感じになってます。
レースとしては非常に面白くてしかも安全。
ヤッパ、登りのレースは面白い‼です。
来年もこのレースに参戦決定‼です。
観戦者用のバスは14時半に出発。
僕のゴールは10時半前、12時半出発だと思っていたので一緒にパスタを食べて待っていたのですが、あまりに長いので、僕は先に下山して、帰宅準備をする事に。
コースは走れないので、ゴールの先、ロングコースが登ってくる道をTrentoへ向かって降りるルートです。
既にレーサーの姿はありません、ま、当然ですが。
で、なんと道を間違えてロングコースへ入ってしまった・・・・。
下っている途中で気づいたんですが、降りてきた道を上る気力がなく、そのまま下まで下って、さあどうしよう??
下りきる手前で、前からくる車を強引に止めて道を聞く。
”Trentoまでどうやって行くの?”
”下りきった先のロータリーを左へ行けば標識が出てるよ”
”距離は?”
”30kmくらいかな”
助かったぁ、レースのコース通りに走れば、合流ポイントまで60km近くあるし1500hm位の登坂付き。
30kmなら、ほとんど登らずに町まで帰れる計算。
これなら、妻のバスが下りてくるのに十分間に合う。
ホッとしたところで、ボトルに水がほとんど残っていない事に気が付く、気温は30度を超えている。
いくら距離が短いとは言え、これじゃ干物になってまう。
途中で見つけたガソリンスタンドは休業日、今日は日曜かぁ・・・、ヤバさを感じながら自動車専用道から村の中へ。
庭で芝生に水を撒いている人発見‼
停車して事情を話し水を分けてもらう。
笑いながら対応してくれました、グラッチェ‼
レースコーストの分岐地点には、まだマーシャルが居ました。
左折を促されるも、Trentoへ直で戻りたいと話して道を教えてもらう。
”この道まっすぐで残り12km”
しかしこれが、罠だった・・・・。
残り12kmが完全に自動車専用道路‼
しかし、高速道路ではない!ここがみそ。
高速道路は制限時速110km/hですが、専用道路は7・80が最高。
脇道なんて分からないし、怒られるのを覚悟してそのまま突入‼
警察が来た場合、事態は最高‼事情を話して町まで連行してもらおう‼っと、気楽に考えて走り続ける。
が、残り6kmでついに”この先高速道路”の標識。
流石にこれ以上は無理・・・どうしよう???
と、思っていた矢先、左のわき道からロードレーサーが下りてくる。
道を聞こうかと思ったら、同じ色のゼッケンつけて走ってる。
もう一度レースコースへ合流したらしい、恐らくこの辺りが最後の登坂に向け登り始める手前。
あちゃ・・・・この先の近道は分からんし、高速道路は走れん、と、なるとこのままコースを走る以外に手は無い。
って、ことは最後の登りの合流ポイントまでここから登ることになる。
間に合うかぁ・・・、しかし悩んでてもしゃあない。
そのまま走り続ける。
ちらほらと、先行者が見えてくる。
まだ走っているレーサーが居る、これは助かる‼
補給所もまだ稼働していて、ゼッケンをつけているので僕にも水を渡してくれる。
ありがたい‼
脚と背中にぶっかけて先を急ぐ。
どうにかこうにか、合流ポイントへたどり着き町へ下る。
ギリギリ2時半過ぎに駐車場へ到着。
結局2時間丸まる、距離70km・1200hmのおまけけが付いて来ました。
あ・・・しんど。
でもこれで、ロングコースも大部分は試走できたのと一緒。
来年の世界選手権には日程の都合で参加できないので、来年はここのロングを走ろう!
ってこの時に思いました。
そのくらい、楽しくていいイベントですね。
荷物を積み込み、駐車場へ妻を迎えに行って帰路へ。
Frankfurtまで700km、帰宅したのは日付が変わる直前でした。
来年は10日前後滞在して、事前練習を現地でやってレースに出走したいですね。
<追記>
しかし、ギアは考えないと・・・。
今回の52-28では、残念ながら足りませんでした。
ストラバ上で平均速度が13.9km/hだったので、一番厳しい区間では10km/h近くまで落ちている計算です。
ケイデンスが75rpmを割ってしまうと、脚への負担が大きくなる(あくまで僕の場合です)ので、かなり軽いギアが必要。
今回、50-34に11-27をギリギリまで検討していたのですが、長い下りと高速での平地走行区間が在るので、コンパクトは厳しいと判断して52-36を選択しました。
フロントに関しては正解だったと思います。
リアは30T、いや、思い切って32Tで丁度良い位だと。
RDのキャパが足りないので、GSタイプに変更しないと。
レース中の周りを見ていても、皆一応にカセットは大きなギアが入ってました。
コンパクトで走っているレーサーも多かった。
僕の感覚ですが、前後ともになるべく大きいギアの方が走り易いように感じています。
チェーンラインが歪み負担がかかるのを承知でも、アウター*ローを多用する走り方をしています。
間違っているのかもしれませんが、脚の感覚に従おうと思っています。
来年は、53-39に11-34で行こうかと。
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by mac-da-wan
| 2019-07-20 02:33
| ロードレース