5月の第一日曜日が、今年もやってきました。
この日は、ドイツの各州で、選手権レースの開催日です。
僕が暮らすHessen州は、毎年お隣のRheinland/Pfalz州、そしてその西フランス、ルクセンブルグと国境を接するSaarland州との共同開催です。
今年の開催地は、Rheinland/Pfalz州のBannと言う田舎町。
シニアのHessen選手権を初めて走ったのが、
2013年のこの町です。
コースは今回、ゴール前後が違いましたが、登り区間などは同じです。
1周10.3km。
2013年は、5周でしたが、今回は4周、41.2kmのレースです。
レースを実際にやっている方なら分かると思いますが、距離が短くなったからと言って楽になるわけではない。
むしろペースが上がるので、特に登りは厳しくなる傾向です。
シニアクラスは、この日の第1レースで、09:00スタート予定。
今回、Markusがサポートしてくれる。
彼の車で、8時過ぎに到着。
準備をしてゼッケン受け取り、今日は72番です。
Hessenのシニア2クラスは、71番からのゼッケン、僕の直接の相手は24・5人です。
駐車車両の撤去等、コースの安全確保に少し時間が掛り、予定より4分遅れでスタートすることになり、シニア2・3・4の3クラス同時スタートに変更。
それぞれ、4・3・2周のレースです。
今年のコース設定は、ゴール前通過後、登りに入るまでに住宅地の細い道を抜ける区間が300m程。
右・左・右・右と狭いコーナーを通過するので、前に居ないと登りの位置が苦しくなる。
集団で突入する1周目は要注意!
今年僕は49才でシニア2クラス最後です。
来年からシニア3、今年良いレースが出来れば、来年は期待が持てるので、今日は何としてもいい内容・成績のレースがしたい。
が、スタートリストを見ると、当然ですが
去年一緒に逃げた顔ぶれがほぼ揃ってます。
僕より明らかに強いのが3人と、強烈なクライマーが1人。
今年は、出走権の無いルクセンブルグのレーサーと、Hessenの1人が居ません。
ここへ、今年からシニア2の年齢になったレーサーが何人か入っての上位争いになりそう。
”僕より強い”と書いたこの3人には、マトモニやり合ったらどうあがいても勝てません。
登り・平地・スプリント、どれをとっても僕より上手です。
同い年で、ピュアクライマーの彼だけ、スプリントになればなんとかなる。
こいつらに勝つ方法はあるのか???色々と考えましたが・・・・。
エントリーは総勢120人位。
シニア2クラスは50人強と言ったところ。
09:04レース開始‼
狭い住宅地を7・8番手で抜けて、1回目の登りへ。
距離1kmで高低差90m。
14%前後の区間が、登り入り口100m位と登り終わり300m位。
入り口は兎も角、頂上手前の300mはマジでキツイ‼
シニア3のレーサーが飛ばして行く。
これに付いてシニア2の有力レーサー。
流石にこの勾配になると、シッティングで一気に上がれるレーサーは居ません。
誰もが、途中でスタンディングを挟んで登る。
途中50m程勾配の緩む区間が在り、ここからが勝負の分かれ目。
この区間で、少しでもスピードを増してラスト300mの急勾配に突入したい。
1回目、5・6番手で頂上通過。
既に、集団はバラバラの状態です。
シニア4のレーサーには当然キツイ展開。
1周目の登りはそれほど早かったわけではない。
この後の平地と下りで、多くのレーサーが合流してくる筈。
下り終わりからゴールまで3.5km。この区間でおそらく集団が大きくなる筈。
2013年の経験からの展開予測です。
頂上通過で先頭集団は14・5人。
風が非常に強かったこの日。
ホイールは24・30mmのワイドリムGokisoです。
ゴールから一番遠い所に横風の登り区間が在る、ここが前回一番苦しかったので、重量的にはクライマーハブ38mmGD2の方が軽いのですが、あえて抵抗の少ない方を選択。
ギアは52/36にリアはカンパの11-27。
1回目の登りの感じからして、ギアはちょうどいいと言うかギリギリ。
下りは最高‼と、言いたいところですが、路面状況が良くない。
ま、これも予想していた事なので、今回もタイヤはGP4000Sです。
チューブを今回はLatexに戻してみました。
レース距離・時間が短いので、ノーマルのゴムチューブより転がり抵抗では有利。
下り終わりからの平坦区間、後ろを確認、直ぐにも集団が追い付いてくる。
チャンスはここしかない‼
集団合流で追い付いてきたうちの何人かはそのまま前へ出てきて一時的にペースが下がる。
落ち着いた瞬間を狙って飛び出せば逃げれるかもしれない。
”単独逃げ”
明らかに強い連中に勝つには、これ以外に無い。
集団外側の位置でタイミングを計る・・・・・ゴール前2.5km辺り、左側から一気に加速。
頭の中で8秒数える間、下ハンダンシングで踏みまくる‼
後方確認、抜けた‼
エアロポジションに切り替えて、向かい風の中逃走開始。
100m位開いたか!? これならいけるかも‼
”集団内で牽制が起こるかも”わずかな期待に掛けてのアタックです。
ほぼ全員が単独の出走で、アシストしてくれるチームメイトの存在は無いに等しい。
しばらく前だけ見て走ってたら、ゴール前300m辺りの左コーナー進入時で声が聞こえる。
振り返ると、追走が機能したらしく50m後ろに集団先頭が迫ってきてました。
The End、僕の逃げはここまでです。
登り頂上まで単独で逃げれれば、チャンスが有ると思ったんですが・・・上手く行きませんでした。
さあ、こうなると登り区間がヤバい。
捕まった直後に始まるので、リカバリーする時間が短い。
ここは耐えるしかない。
幸い吸収されたのが、ゴール前通過後だったので、3・4番手のポジションで狭い区間を抜けて登りへ。
前に有力レーサーが集まってくる!
当然速度は上がる。
この勢いなら、今回で集団は完全に割れる。
頂上通過後にペースが緩むとは考えにくいので、ここで話されたらレースが終わってしまう。
何としても食らい付け‼
3人のペースが凄まじい。
やはり強い。
4・5番手、何とか繋がったまま頂上通過。
少し緩めて集団最後方まで下がり、前は牽かなくてもいい位置へ。
13人。
生き残ったのは1/10程度。
3人を中心にしてローテーションが回り始める、これで遅れたレーサーにチャンスは無くなりました。
シニア3・4クラスのレーサーが1人づつ入ってます。
下りを終えて、ゴールまで3km。
集団内に居るシニア4のレーサーは、勝利がほぼ確定。
僕を含め何人かが祝福。
ラスト1km、それにこたえるように彼が先頭へ出て牽き始めます。
ここは邪魔せず、集団は後ろで彼のゴール通過を待つ。
勝負が掛かる3回目の登り。
実力に勝る3人は、必ずここで勝負を決めに来る。
遅れるのは間違いない、何人僕の傍で頂上通過できるか?
3対7位の人数なら、追いつけるチャンスもあるが・・・・。
入り口から強烈なペースで登坂開始‼
前半を通過し、勾配が緩むところまでは食らい付いてましたが、そこからが違いました。
ギア1枚分違うペースで前が登っていく。
4人。
同い年のクライマー(名はCosmas)は、調子が悪いのか僕の前で苦しそうにしている。
彼を交わし、10m前を行く4人を追って歯を食いしばるが、ジリジリ離されていく・・・・。
頂上までの一番苦しい区間、僕先頭で4人を追って登坂終了。
差は、10秒チョットか。
2人僕の前へ出て追走を始める。
前を牽く力は残っていないので後ろに回ろうと振り返ると3人だけ‼
4対3では分が悪い。
追い風区間は登りで前に居た分という事で、後ろ手回復に専念させてもらう。
前の4人は、1人が遅れかかってる。
平坦区間で、1人が遅れ出すほどのペースを刻んでる。
差が開き始めているのがハッキリ分かるが、今の僕ではどうにもできない。
冷静に‼
遅れ始めた1人は吸収できる、残りの3人中Hessenのレーサーが2人居る。
この集団はHessen州の3位争い。
問題は3人ともHessen州‼
横風区間に入り僕もローテーションに参加。
前に追い付くのは無理でも、後ろから合流されるのは避けたい。
横風区間で落ちてきた1人を吸収。
彼もHessen州‼ 4人になった。
下り終わりで3人追いついて着て第2集団は7人でファイナルラップへ。
吸収した1人は兎も角、追いついて着たレーサー3人は僕よりスプリントは強そう。
ここは何としても、もう一度引き離して、ゴールまで合流させたくない。
Cosmasと2人でゴールまで行ければ僕にとって現状最高の展開だが・・・。
ラストの登り、序盤はCosmas先頭、勾配が緩む場所から、僕先頭で頂上へ。
今日は登れてる‼
自分の感覚としてかなり良い感じなんです。
前を行く3人が、今の僕には強すぎる。
4人‼
3周目と同じメンバーでラスト9kmへ。
ローテーションを廻し、この4人で3位争いへ。
勝負は下りが終わってから。
3周目に吸収した1人は、かなり厳しそうな様子。
無理をして3周目の登りを登ったのが明に見える。
スプリントになれば勝てる‼
Cosmasはピュアクライマー、間違いなく手前で仕掛けて逃げを狙ってくる。
もう一人、こいつがスプリントで速そう。
リザーブを残している様子がうかがえる。
どうする?
人数が4人と少ないので、Cosmasのアタックさえ封じ込めれば、その気になればどのポジションでも取れる。
一番前か?、マークしている相手の直後か?
4番手に下がりCosmasのアタック待ち
確実に来るCosmasのアタックに、僕ら3人は確実に反応できる。
その時の反応を見て、ゴール前のポジション争いを考えよう。
ラスト2km、Cosmasアタック‼
マークしているレーサーが即反応。
う・・・ん、良い加速力してる。
最終コーナーからゴールまで160m。
彼の後ろから行っても僕にチャンスは無さそう。
後ろから行って届かないのは後悔する。
前で勝負じゃ‼
彼も相手は僕1人と分かってる筈。
ゴールへ向けて連続する左コーナー。
1つ手前は、彼先頭で通過、最終コーナーでインへ入って僕先頭で、ラスト160m。
前で勝負するには、チョット距離が長いのは分かってますが、これ以外僕には手が無い。
フル加速‼
が、ゴール前30m位で交わされました・・・・。
レースは5位、Hessen州4位。
表彰台までホイール半分届きませんでした。
ま、でもゴール後は自分でも驚くほどサバサバしてました。
やるだけの事は全てやった。
これでダメだったんだから、現状仕方ないです。
このままの状態を来年のキープできれば、シニア3なら十分チャンスある‼
残念だったのは、このレースに賞金が無かった事。
これは、しらなかったので、ショック大!でした(笑)。
通常のレースで5位なら、30ユーロ位の賞金があるので、それでMarkusと飯でも食おうと思ってたのに・・・。
レース後一緒に走ったレーサーと少し会話を楽しんで、表彰式を見て会場を後に。
そのままLuxenburgへ。
26日のSchleck GFのコース試走へ。
このレースには、Markusも出走するので、2人で短い方のコースへ。
序盤で大きく間違いましたが、モーゼル川沿いの道へ出た所から、スマホでコースを確認。
75kmほど、ラスト10kmは車で走る事にして、途中何度も停車し確認しながら。
レースで酷使した脚の僕には、丁度ええ。
天気は最高でした、雲一つない空に気温26度。
風が強かったのだけが辛いところです。
次はそのSchleck GFです。
157km、2500hmのコース。
UCI GFWSの予選レース、去年はパンクでレースが終わってしまいました。
今年はここで何としても権利を取りたいです。
#
by mac-da-wan
| 2018-05-07 10:26
| レース